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IRCE とは、Internet Retailer Conference & Exhibition の略で、EC に特化した世界最大のトレードショウです。

IRCE 2014 報告 ~ 講演の語る「未来」とは少し違う、展示会の「今日」

会場の空気から、近未来の匂いを嗅ぎ取ってきました。

といえば聞こえはよいのですが、正直ビビリでした。それでも、対面なんか怖くないぞ。元店長の魂が沸々と蘇りました。とにかく、空気を吸って、五感(+第六感^^;)で得てきたものをお伝えします。

言葉の壁を抱える残念な私にとって、会場の空気は無色透明に過ぎないのですが、きっとその組成を分析すれば約8割を占める窒素に匹敵したのが ”Omni-Channel” であったこと明らかです。

看板、ブローシャ、説明員の台詞、とにかく至るところ「オムニチャネル」が飛び交っていました。昨年の講演でも「オムニチャネル」が頻出したと聞いていましたが、今年は展示会場もそのキーワードで埋め尽くされていました。お母さん、もとい小売業の皆さん、大事件です!

パラダイムシフトが起きている ~ IRCE 過去数年の中で最大の変化

講演では、少し未来の語られることが主流かと思います。それが講演者自身の持つバリューであり、受講者が身に着けたいバリューでしょうから。「未来」という点でスピーカとオーディエンスの利害が一致しています。

しかし、展示ブースは商売です。無いものは売れません。ここには講演以上のリアルがあります。言い換えると、今年は「オムニチャネル」が『商品』になったのだと思います。

これは、非常に大きな衝撃的パラダイムシフトの具体化です。いよいよ、より巨大なリアルの小売市場を、EC が主導して巻き込み始めました。理由は簡単です。実店舗より EC の方が、より定量的で、より正確な効果測定に基づく、データ・ドリブン(結果の数値を基に PDCA サイクルを実行していく)マーケティングを先に叶えているからです。

データ・ドリブンによる EC 主導にこそ、オムニチャネルの本質があります。アカウント統合だとか、ポイント共有だとか、テクニックやメソドロジーに目が行っている内は、この衝撃の大きさは理解されないでしょう。

米国でも日本でも EC 化率は1割におよびません。つまり、残り九十数パーセントが EC に牽引される時代になったのです。EC が何割占めるようになったという「比率」が話題になった時代から一気に、「すべて」が EC を軸として回る時代へのシフトが始まったのです。

いつか振り返った時、「2014年が分水嶺だった」と語り草になるでしょう。

IRCE Sign

楡井康哲