2013年、富士山が世界文化遺産に登録

正確には、”Fujisan, sacred place and source of artistic inspiration” 「富士山 – 信仰の対象と芸術の源泉」です。

観光地の熱と比べると地味でしたが、日本料理も同じユネスコの無形文化遺産に選ばれました。ここでちょっと引っかかってみたのが、”Japanese cuisine” ではなく、”Washoku” だったことです。正確には、”Washoku, traditional dietary cultures of the Japanese, notably for the celebration of New Year” 「和食;日本人の伝統的な食文化 -正月を例として-」ですが。

「和」が世界に通じるブランドになりつつあります。手っ取り早く、以下のリンクを見てください。

アメリカ、オーストラリア、カナダには「和牛協会」があります。日本人がやっているわけではありません。現地の肉牛関係者が運営しているのです。Wikipedia には、ヨーロッパ、ドイツ、オーストリアの和牛協会も紹介されています。明らかに、日本より組織されています。

American Wagyu Association

なぜ、本家より発展しているの?

実は、品種に過ぎない Wagyu の食肉は、海外では量的にも日本産より多く生産・販売されています。

松坂牛、神戸牛、近江牛に加え、但馬牛(神戸牛の素牛)、米沢牛、飛騨牛など等、日本には枚挙にいとまないほどのブランド牛がいます。そうなのです。よりローカルにブランディングすることで、日本国内のリッチ層に対しての競争力を高めたのですが、結果、世界ではマイナーになってしまったのです。ワイン通なら「どこそこの畑」という拘りがありますが、一般消費者は「フレンチ・ワイン」というのと同じです。

「和」が世界に通じようとしている一方、「和」は日本人の手によるものとは限らない。

これはヒントです。「和」に精通した我々こそが越境 EC で最大化することもあるでしょう。逆に「輸入」などによって国内市場で何かをブランディングすることも十分可能だということです。泥沼の価格競争から抜け出すためにもブランディングあり。簡単に見つかるものでもありませんけど、意外なところに可能性はあるのかも。そして、大切なことは・・・

ブランドは一方的に押し付けるものではなく、対話から生まれ育つ。

すなわち、消費者のものでもあるのです。和牛協会を擁する牛肉大国たちは、本家・日本の空隙を狙って消費者に「美味しい和牛」を浸透させたのです。所謂「言ったもん勝ち」です。しかし、市場がそれを受け容れて、消費者間でバイラルに認知されたのです。

和牛の「サシ(霜降り)」って、脂肪交雑だけではなくて、筋肉細胞に細かく美しく沈着した「対話」のようにも見えてきますね。そんな Wagyu の例もヒントにして、みなさんのブランディングも考えてみましょう。

なお、牛肉について詳しくお知りになりたい方に、業界通からの情報です。日本の食肉業者の中では古くからこう言われています。

「肉のことなら、天井に訊け」