「多店舗展開」や「マルチ・チャネル」と何が違うの?

ゴメンナサイ、本当はシッタカブリでした。(筆者談)
「オムニ・チャネル(リテーリング)」が、色々なところで販売することを差しているのは分かるけれど…
それは誤解かもしれません。オムニ・チャネルの神髄について語ります。

最近耳にする「オムニ・チャネル」とは何なのでしょう?

マルチ(multi-)という接頭辞は「多い」(ラテン語の “multus” に由来していて、英語の “much” や “many” に変化した)という意味です。他方、オムニ(omni-)は「全て」(ラテン語の “omnis” は英語の “all”)です。まあ、乱暴にいえば、マルチよりオムニが上位ということです。これだけ覚えておけば大丈夫。

pyramid-omnichannel-retailing

少し賢そうに言えば、単に多いだけでなく、全てを総合的に扱うというニュアンスが込められています。マルチ・チャネルではチャネル毎に独立していた宣伝や分析を、オムニ・チャネルでは統合して行います。オムニ(全て)の扱いは、在庫だけではなく、顧客情報までなのです。米国 Macy’s が始めたと言われています。

!

初級編は ID やポイントの統合です。実店舗に足を運んでくれた買物客と、ネットショップを訪れてくれた同じ人が、当たり前に同じ「個客」(集団としての顧客ではなく特定の同一人物)であることを把握することから始まります。

!

中級編では、ネットの先進性から、リアルを含むシミュレーションを行います。考えてみると、実店舗は POS に支えられていますが、POS は「買った」という『支払』しか分かりません。ネットなら、「どんな広告を見て来店した」とか「特定の商品を探したけど見つからずに帰って行った」とか「前に買ってくれたけど今日は買わなかった」といった個客の『動き』まで分かります。仮説検証にアドバンテージがあり、他のチャネルにも活かせるのです。

!

実店舗がショールーミング化する今日、リアルでの『動き』からネットの『支払』までを一連の分析対象とする必要が生じました。あるいは、ネットの「ほしい物リスト」が備忘録で、実際の行動はリアルかもしれません。このような上級編には、シームレスなチャネル間連携のシステムが欠かせません。

以上の話は、事業者目線であったり、ベンダ目線です。買物客目線では、裏のからくりなどどうでもよいわけですから、ポイントは一つ。こういったことができないと、不満が募ります。

買物客にとっては、無意識に傾いた「ネットも使う」自分たちの新しい購買行動を理解して欲しいということです。アカデミアンが AIDMA、AISAS、AISCEAS といったマーケティング用語を駆使しますが、共通する最初の “A” – Attention は、広告の代わりに実店舗でもいいのです。オムニ・チャネル化とは、システムのことではなく、買物客がするものだと理解してください。

Make it! EC が「統合 EC パッケージ」の冠を着けているのには理由があります。
INFOMARKS: We Know Commerce!

ページトップへ ▲

このページに関してのお問い合わせはこちら